2025年9月27日(土)、手すき和紙工房潮紙(宮城県柴田郡川崎町)にて、「宮城の手すき和紙体験教室(令和7年度文化庁伝統文化親子教室事業)」を開催しました。当体験教室は今年度で7回目になります。
東北工芸ことはじめでは、東北6県の風土に根差した工芸を、現代の暮らしの中に取り入れ、親子で楽しむことができる機会を提供するとともに、工芸の継承に寄与するため、主にものづくりやデザインに焦点をあてたワークショップのプログラム開発や運営を行っています。
工芸への興味関心を持つ層の拡大を図るため、子どもにも身近な「紙」をテーマとすることで、子ども達が、和紙の特徴や歴史、流しすきの技法などを知り、日本文化についての理解を深め、自分の言葉で人に伝えられるようになることを期待しています。
◆全5回(3日間)のプログラム概要◆
2025年9月27日(土)
①全体ガイダンス、職人さんから和紙の歴史や特徴を学ぶ、工房見学
②コウゾやトロロアオイ畑の観察、工房周辺の散策
2025年10月18日(土)
③流しすき体験
2025年11月16日(土)
④伝統文様の説明、オリジナル文様の消しゴムはんこ作り
⑤カレンダー創作(はがきサイズ12枚)
はじめに、参加者どおし自己紹介をして、この体験教室で楽しみにしていることを発表してもらいました。
「カレンダーづくりを楽しみにしてきました。」「和紙づくりをしたいです。」などの声が聞かれました。1.紙すき職人 塚原英男さんから和紙のことを教えてもらう親子
工房の成り立ちから、和紙と洋紙の違い、手すきの紙と機械すきの和紙の違い、使っている原料や道具のこと、和紙の歴史など、和紙について知る時間です。
2.職人が使う本物の道具に触らせてもらう子どもたち
流しすきは、フネと呼ばれる水桶に水をため、簾(す)と桁(けた)を使って紙をすきます。
3.工房周辺の散策の様子
4.工房近くの十一面観音にて
体験教室をとおして、潮紙でつくられる手すきの和紙が、とても破れにくく長持ちすることがわかりました。
そして、和紙づくりの原料や道具に実際に触れることで理解が深まり、次回の流しすき体験に向けて、期待する様子が伺えました。
(文・写真/早川昌子)