【開催レポート】「宮城の手すき和紙体験教室」(2021/11/27)

2021年11月27日(土)、令和3年度文化庁伝統文化親子教室事業「宮城の手すき和紙体験教室」を開催しました。

元々は10月16日(土)開催の予定でしたが、新型コロナウイルス感染症に対する「緊急事態宣言」の発令等により延期となっていました。

今回は、自分ですいた和紙で、自分のお気に入りの本を包むブックカバーをつくる日です。
会場に到着した参加者は、さっそく自分ですいた和紙を手にとり、肌触りを確認したり、陽の光にかざしてみたりしていました。

ワークショップは、ブックカバーをかける本のタイトルと、その本を選んだ理由の発表からスタートです。
参加者による本選びの発表は、私たちスタッフも毎回とても楽しみです。
へー!こんな本があるんだーと今どきの小学生の感性に触れる良い機会です。

水切りに挑戦する小学生(宮城の手すき和紙体験教室)

次に、本の大きさに合わせて和紙をカットするため、「水切り」という技法に挑戦します。
ハサミやカッターで切り落とす方法もありますが、水切りの技法を使うことで、和紙ならではの風合いにすることができます。

デザイナーの根朋子さんによるレクチャー

続いて、講師であるグラフィックデザイナーの根さんによるレクチャーです。
根さん制作のブックカバーを見せてもらいながら、本の内容や登場人物等を手掛かりにデザインする方法や、ステンシルのやり方などを教えてもらいました。

根さん制作のブックカバー
根さんが用意してくださった型紙

下書きの段階では、仕上げることが出来るだろうか…と少しドキドキする場面もありますが、根さんの声がけにより、全員がステンシルする段階まで進んでいき、今回も参加者それぞれの思いの詰まった作品が生みだされました。

最後は、完成したブックカバーと自分なりのこだわり等を発表して終了です。
自分以外の参加者の作品発表を聞くのも勉強になるし楽しいですよね。

今回も参加者の皆さんとのやりとりを通して、充実した時間を過ごされた様子が伝わってきました。参加者アンケートより一部をご紹介します。

開催が難しい中、本当に様々な面で配慮頂きありがとうございました。少人数制にしたことが子どもが満足できる環境で体験できたのでは・・・と思いました。

和紙を作るのは、本当に大変だなと思いました。とてもいい体験でした!ありがとうございました。もし、またこういう体験教室があったら、ぜひ参加したいです。

子どものアイデアを尊重しつつ、一緒に作り上げていく過程がとても楽しかったです。

めったにできたい体験ができ、とても楽しかったです。大人があまり口を出さず子どものアイデアに任せることも重要だと再認識しました。

伝統工芸を実際に職人やデザイナーの方に直接教わる貴重な経験をさせて頂き満足しています。子どもも集中して楽しく作ることができたと思います。ありがとうございました。

会場は地域にある貴重な文化的施設

道中庵(仙台市太白区)

会場は2020年と同じく、道中庵を使わせて頂きました。
道中庵は、 2019年10月末で閉館したユースホステルです。
平成3年仙台市都市景観賞(歴史・文化部門)を受賞されているほか、フランスのミシュランガイドに掲載されたこともある国内外から高い評価を得た施設でもあります。
参加者も建物に入ることができて良かったとおっしゃっていました。
オーナー様へこの場を借りてお礼申し上げます。

(文・写真/早川昌子)

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