【開催レポート】「宮城の手すき和紙体験教室」(2022/8/20・後半)

2022年8月20日(土)、手すき和紙工房潮紙(宮城県柴田郡川崎町)にて、「宮城の手すき和紙体験教室(令和4年度文化庁伝統文化親子教室事業)」を開催しました。

子どもたちにとっては、コロナ禍の夏休みがもうすぐ終わるタイミング。
10時から、13時から、15時半からの3つのグループに分かれて開催した体験教室の後半は、工房の外に飛び出して、笹谷の自然を身体全体で感じて過ごしました。

「宮城の手すき和紙体験教室」プログラム内容・・・全5回(3日間)

2022年8月20日(土)
①全体ガイダンス、職人さんから和紙の歴史や特徴を学ぶ、工房見学
②コウゾやトロロアオイ畑の観察、工房周辺の散策

2022年9月3日(土)
③流しすき体験

2022年10月15日(土)
④デザインワークやステンシルの手順の説明、和紙の水切り体験
⑤ブックカバー創作

和紙の原料畑の観察~コウゾとトロロアオイ~

和紙の原料となるコウゾ:高いものは3メートル以上ありそうです。品種はナスコウゾ。

工房の裏の畑では、和紙の原料のコウゾと副資材のトロロアオイが栽培されています。

和紙の原料には、コウゾ(楮)やミツマタ(三椏)、ガンピ(雁皮)のほか、竹などがありますが、ユネスコの無形文化遺産に登録されている和紙は、全て国産のコウゾのみを原料としています。
そして、手すき和紙工房潮紙でつくる和紙は、国産コウゾのみを原料としています。
しかも、無農薬で自家栽培!

コウゾの葉っぱ

実は、国産のコウゾは生産者の減少により入手困難になっており、栽培の様子を見られるのもかなり貴重な体験です。

トロロアオイ:和紙づくりでは、根っこをつぶしてでてくるネバネバした部分(粘剤と呼びます)を使います。
トロロアオイをよく見てみると、つぼみがついていました。まもなく開花です。

笹谷の風景や自然を身体いっぱいで感じる時間

畑をみた後は工房周辺の散策です。
十一面観音で太宰治の小説にでてくる笹谷峠の女山賊の話を聞いたり、工房を横ぎる水路の上流をみたりしました。

十一面観音にて
笹谷にある水路:工房に流れこむ水の上流にあたり、水の流れはかなりはやく、水量が豊富

「宮城の手すき和紙体験教室」は、9月3日(土)の流しすき体験へと続きます。
参加者の表情からは、次の体験への期待が伝わってきました。

ご参加いただきました皆さまには、コロナ対策へのご理解ご協力をいただきましたことに感謝いたします。

(文・写真/早川昌子)

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