【開催レポート】「宮城の手すき和紙体験教室」(2023/8/19)

 2023年8月19日(土)、手すき和紙工房潮紙(宮城県柴田郡川崎町)にて、「宮城の手すき和紙体験教室(令和5年度文化庁伝統文化親子教室事業)」を開催しました。当体験教室は今年度で5回目になります。
また、今年度も文化庁伝統文化親子教室事業に採択されたことで参加費1,000円を実現しています。

 東北工芸ことはじめでは、東北6県の風土に根差した工芸を、現代の暮らしの中に取り入れ、親子で楽しむことができる機会を提供するとともに、工芸の継承に寄与するため、主にものづくりやデザインに焦点をあてたワークショップのプログラム開発や運営を行っています。

 子どもにも身近な紙をテーマとすることで、工芸への興味関心を持つ層の拡大につなげるとともに、子ども達が和紙についての歴史や和紙の特徴、流しすきの技法などについて知り、日本文化について自分の言葉で人に伝え、広がることを期待しています。

◆全5回(3日間)のプログラム概要◆

8月19日(土)
①全体ガイダンス、職人さんから和紙の歴史や特徴を学ぶ、工房見学
②コウゾやトロロアオイ畑の観察、工房周辺の散策

9月9日(土)
③流しすき体験

10月21日(土)
④デザインワークやステンシルの手順の説明、和紙の水切り体験
⑤ブックカバー創作

1.紙すき職人 塚原英男さんから和紙の歴史、原料、和紙の特徴等について学ぶ時間

2.和紙と洋紙を触ってみたり、破ってみたりして比べる子どもたち

3.水路に足をつけて冷たさを体感する子どもたち「1分間つけていられるかな~?!」

水路の水は、笹谷峠の方から流れてきていて、工房を横切ります。工房見学において、最も盛り上がるスポットと言っても過言ではありません!水温は1年を通して一定で12度くらい。真夏でも冷たく澄んでいて、サンショウウオもいます。
紙すき職人の塚原さんが、この場所に工房を開かれたのはこの水があるから。

4.職人が使う本物の道具を触らせてもらう子どもたち

流しすきは、フネと呼ばれる水桶に水をため、簾(す)と桁(けた)を使って紙をすきます。

5.工房周辺の散策中にも道端にコウゾを発見!

実は、コウゾはそれほど珍しい植物ではありません。河原の土手や道路の脇などにも生えているそうです。ただ、コウゾの種類は様々で、例えば、繊維が長いものもあれば短いものもあるのだそう。

6.工房周辺を散策する親子

太宰治の小説には笹谷峠にまつわる山賊の話がでてきます。十一面観音にて。

この体験教室で子どもたちが楽しみにしていることを聞いてみました。

和紙について知りたいです。

和紙が何でできているか知りたいです。

ブックカバーづくりを楽しみにしています。

和紙づくりを楽しみにしています。

体験教室を終え、和紙の歴史、原料や道具についての学んだ子どもたち。大人も含めて、次回の流しすき体験に向けて、期待が膨らむ様子が伺えました。
参加者の皆様には、スムーズな運営にご協力いただきありがとうございました。

(文・写真/早川昌子)

Share
先頭に戻る