2020年10月17日(土)、道中庵(宮城県仙台市太白区)にて、「宮城の手すき和紙体験教室」の最終回を開催しました。
7月と9月に開催した時と同じく、新型コロナウイルス感染症対策をしての開催ということで、受付では、参加者の皆さまに検温と手指の消毒などにご協力いただきました。
手すき和紙のブックカバー
さて、今回は、7月にスタートした「宮城の手すき和紙体験教室」の言わば総仕上げ。
④手すき和紙の扱い方と特徴の説明
⑤水切り体験とブックカバー創作
参考記事
>>7月18日(土)の開催レポート
①手すき和紙ガイダンス
②工房見学とコウゾやトロロアオイ畑の観察
>>9月12日(土)の開催レポート
③流しすきの手順の説明/流しすき体験
今回の講師は、手すき和紙工房潮紙の塚原さんと、グラフィックデザイナーの根朋子さん。
和紙のブックカバー創作ということで、本の大きさに合わせてハサミやカッターでカットする方法もありますが、ここでは「水切り」という技法を使ってカットします。
参考記事
>>和紙の「水切り」
参加者は、ブックカバーをかける本をあらかじめ決めてきます。
そして、本の名前とその本を選んだ理由について発表します。
参加者による本選びの発表を聞くだけでも、この時間がとても充実した時間に感じられるから不思議です。
根さんによるデザインワークのレクチャーでは、根さん制作のブックカバー等を見せてもらいます。
親と子が一緒に考えて作る時間
選んだ本と選んだ理由を手がかりに、デザインを考えて、下描きして、型紙を選んで、イメージした色をつくって、ポンポンポンポンと塗っていきます。
完成したブックカバーと自分なりのこだわり等を発表して終了です。
参加者の皆さんとのやりとりを通して、充実した時間を過ごされた様子が伝わってきました。参加者アンケートより一部をご紹介します。
子どもが紙の作り方に興味を持ったようで毎回参加する日を指折り数えて楽しみにしていました。ありがとうございました。
本選びから子どもといろいろ一緒に考えられる時間ができてよかった。
和紙をつくって終わりではなく、作った和紙をつかってのワークショップなのがとてもよかったと思います。
伝統工芸について知る機会は貴重で楽しく勉強になった。すてきなデザインと組み合わせて新しいものとして身近に取り入れることができてうれしい。
とても貴重な経験をさせて頂きました。機会があったら、また参加したいです。
会場は地域にある貴重な文化的施設
会場は2019年と同じく、道中庵を使わせて頂きました。
道中庵は、 2019年10月末で閉館したユースホステルです。
平成3年仙台市都市景観賞(歴史・文化部門)を受賞されているほか、フランスのミシュランガイドに掲載されたこともある国内外から高い評価を得た施設でもあります。
また、この建物には、オーナー様のお考えが反映されており、凛とした空気の中に温かみを感じる素敵な空間で、ここで開催できたことは大変ありがたいことです。
参加された方も口々に、建物に入ることができて良かったとおっしゃっていました。
オーナー様へこの場を借りてお礼申し上げます。
(文・写真/早川昌子)