自分ですいた和紙に型染めをして、世界にひとつだけのブックカバーを作ってみませんか?
切り抜いた型紙を使って着色するステンシルは、かんたん型染です。
和紙に型紙をのせ、型紙の切り抜き部分に着色剤をつけたスポンジを、ポンポンポンポンと軽く押しあてるだけ。そこに、デザインワークの考え方を取り入れることで、驚くほど個性豊かで美しいブックカバーが出来上がります。
2019年10月開催のワークショップの様子から具体的な進め方をみてみましょう。
ワークショップの講師は、グラフィックデザイナーの根朋子さん。
根さんは、仙台にお住まいで、広告・CI・パッケージやパンフレットなどを中心に手がけられています。
1.カバーをかける本を選ぶ
「ブックカバーのグラフィックデザインを考えましょう。」と、いきなり言われたら、考えこんでしまいそうですが、「カバーをかける本を選んでみましょう。」と、言われたら考えこまなくても良さそうです。
ワークショップでは、参加者がお互いに選んだ本と選んだ理由を発表しあい、新たな気づきや刺激になっていました。
ワークショップの様子
2.下がきをする
カバーをかけたい本とその本を選んだ理由を手がかりに、ブックカバーのデザイン案を下がき用の紙に描きます。
ワークショップでは、根さんが、参加者の下がきを丁寧に見ながら声をかけてくれるので、参加者の下がきはどんどんブラッシュアップされていきました。
小学生の下がき
3.型紙選び、型紙作り
下がきに描いた絵柄を、○や△や□などのシンプルな図形の組合せに置き換えます。
そうして、型紙の構成と絵柄の完成イメージを固めていきます。
ワークショップでは、根さんがあらかじめ準備してくださった型紙と、その型紙を使って制作されたブックカバーを見せてもらいました。
同じ型紙でも、タテ、ヨコ、ナナメ等、向きを変えたり、連続で配置したりすることで、違う表現が出来ます。
さらに、根さんは、参加者それぞれのリクエストを聞いて、即興で型紙を作ってくださいました。
東北工芸ことはじめのメンバーも型紙作りのお手伝いをしましたよ。
4.着色する
使う型紙が決まったら、使う色を決めて練習用の紙に練習します。
スポンジを押し当てる時の力の加減やスピード、着色剤の色やスポンジへの染み込み具合等を確認します。
ワークショップで使用した着色剤は、画材屋等で販売されている高級アクリル絵の具、スポンジは、割り箸で挟んで輪ゴムで固定したものを使いました。
着色の工程は、いわばワークショップのクライマックスで、参加者の集中力とクリエイティビティもマックス!
5.作品発表
自分の作品が完成したら、気に入っている表現や工夫したことを人に伝えます。
作品は、言語化することで完成すると言えるのかもしれません。
達成感と作品への愛着が伝わってきます。
誰もが表現を楽しめる型染め
ワークショップに参加された保護者の方に感想を伺ったところ、「デザインの考え方を知ることができし、最初から最後まで目からウロコでした。」といった声や「絵を描くのは苦手だけど、型があったから表現することを素直に楽しめました。」といった声があり、親子参加のワークショップの醍醐味を改めて感じることになりました。
完成したブックカバー作品はどれも根さん驚きの仕上がりとなりました。
どれも味があってなんとも愛おしい!
自分ですいた和紙に型染めするブックカバー創作はいかがですか?