2023年9月9日(土)、手すき和紙工房潮紙(宮城県柴田郡川崎町)にて、「宮城の手すき和紙体験教室(令和5年度文化庁伝統文化親子教室事業)」を開催しました。
東北工芸ことはじめでは、東北6県の風土に根差した工芸を、現代の暮らしの中に取り入れ、親子で楽しむことができる機会を提供するとともに、工芸の継承に寄与するため、主にものづくりやデザインに焦点をあてたワークショップのプログラム開発や運営を行っています。
子どもにも身近な紙をテーマとすることで、工芸への興味関心を持つ層の拡大につなげるとともに、子ども達が和紙についての歴史や和紙の特徴、流しすきの技法などについて知り、日本文化について自分の言葉で人に伝え、広がることを期待しています。
◆全5回(3日間)のプログラム概要◆
8月19日(土)
①全体ガイダンス、職人さんから和紙の歴史や特徴を学ぶ、工房見学
②コウゾやトロロアオイ畑の観察、工房周辺の散策
9月9日(土)
③流しすき体験
10月21日(土)
④デザインワークやステンシルの手順の説明、和紙の水切り体験
⑤ブックカバー創作
8月19日(土)に続き2日目となる今回は流しすき体験です。
>>【8月19日の開催レポート】はこちらをご覧ください
1.繊維状態になったコウゾの皮
コウゾの繊維が和紙の原料となります。
2.コウゾの黒皮(一番外側の皮)を取り除く様子
2.バケツの水にコウゾを入れた後、トロロアオイを加えてかき混ぜる子ども達
トロロアオイを加えることで、コウゾがかたよらず、うすくて厚みにむらがない和紙ができます。
3.1人ずつ簾桁(すけた)を握り、試料液をくみあげて、ゆする様子
4.試料液が入っているフネの高さに届かないお子さんは、台にのり、後ろでは親御さんがサポート!
5.簾(す)を持って、自分がすいた和紙を、既にすかれた和紙(紙床:しと)の上に重ねていきます
6.工房内を横切る水路で足をつけていられる時間を競う兄弟(やっぱり冷たい!)
前日の大雨の影響で水は少し濁っていました。手すき和紙をつくる時は、この水を使うので、ガーゼのようなものでろ過された水を使っていました。
「宮城の手すき和紙体験教室」は、10月21日(土)のブックカバー創作へと続きます。
(文・写真/早川昌子)