9月、手すき和紙工房潮紙(宮城県柴田郡川崎町笹谷)の畑で淡い黄色の花を咲かせるトロロアオイ。
オクラの花に似ていて、ハナオクラとも呼ばれ、天ぷらやサラダなどで食用としても使われます。
和紙づくりにおいては、このトロロアオイが重要な役割をはたします。
和紙づくりで使われるトロロアオイ
和紙づくりで使われるのはトロロアオイの根っこです。
根っこをつぶすとネバネバとした粘剤(ネリと呼ばれます)がでてきます。
流しすきで和紙をつくるときは、ステンレス製の水槽(フネと呼ばれます)に水を入れ、和紙の原料であるコウゾを入れます。
そこに、トロロアオイを加えてよくかき混ぜることで、コウゾが底の方に沈んだり、かたよることなく、むらのない和紙ができあがります。
プランターでも育つトロロアオイ
トロロアオイは、ベランダのプランターでも育てられます。
そこで、手すき和紙工房潮紙でいただいたトロロアオイの種を、実際にベランダのプランターに植えて花が咲くまでの記録をご紹介します。
●2020年5月1日 種まき
土は、ホームセンターで入手可能な園芸用の腐葉土を使いました。
穴の深さは、おとなの人差し指の第一関節の半分くらい(子どもの人差し指の第一関節くらい)です。
種まきした日は水をたっぷりあげます。
●2020年5月17日(種まきから17日目)
ふたばがではっきり見えます。
実は、種まきから4日目くらいで小さな豆つぶみたいなものが土からでてきます。
●2022年6月1日(種まきから1ヶ月)
ふたばの大きさより本葉の方が大きくなりました。
●6月13日(種まきから49日目)
トロロアオイらしい葉っぱがでてきました。
●7月11日(種まきから77日目)
種まきから2ヶ月以上が経過し、順調に見えたトロロアオイですが、葉っぱに白い斑点がでてきました(汗)
●7月22日(種まきから88日目)
枯れてはいませんが、ヒョロヒョロです。白い斑点がでてきた葉っぱはとりのぞき、株を1本抜いてみました。
根っこは小さくて、和紙づくりに使えそうにありません・・・・。
●8月3日(種まきから100日目)
白い斑点がでてきて弱っているように見えたトロロアオイですが、復活しました。
インターネットで検索しましたが、白い斑点がでてきた理由はわかりませんでした。
プランターの場所をかえてみたり、頂きものの賞味期限切れのビールをかけてみたりしました。(家庭菜園系のYouTubeにてビールの糖が栄養になるというのをみて)
●9月4日(種まきから約4ヶ月)
途中、葉っぱに白い斑点がでてきて、枯れるかな・・・・と心配しましたが、なんとか花が咲きました!
プランターの深さには限界があるので、根っこはそれほど太らせることはできませんが、これが和紙づくりで使われると思うとなんだか嬉しくなります。
トロロアオイの種
トロロアオイの花の版画は、宮城県在住の作家 浅野友理子さんの作品です。
こちらから浅野友理子さんのインタビューがご覧いただけます。